耐候性試験機用の水
純水は主に、屋外で使用される材料に与える雨の影響を調べるため、降雨を模倣する耐候性試験において用いられます。従って、雨水に不純物が含まれているべきではありません。水は、噴霧ノズルから試料に噴霧されます。
不純物が耐候性試験機に混入すると、再現性のある確かな試験結果を得ることができません。
耐候性試験に影響を及ぼす可能性がある水の不純物
- 有機物
- シリカ
- 金属
- 粒子、生菌
上記の不純物が試料に付着したり、フィルムを形成すると以下のような影響が生じます。
- チャンバーのブラックパネルに付着すると、熱吸収が減少し、試料の温度が実際とずれてしまう可能性があり、不正確な温度で試験を実施することになります。
- チャンバーの光センサーに付着すると、ランプの光度値が不正確に表示されます。これにより、(不正確に感知された)ランプの低出力を補正するため、ランプの電力が自動的に上がります。その結果、光度が高すぎる状態で試験が実施され、試験結果が変わってしまう可能性があります。また、ランプの寿命が短縮されるのは間違いありません。
- 不純物は、噴霧ノズルや加湿ノズルの目詰まりを引き起こすこともあり、試験の信頼性に影響を与えます。また、ノズルの洗浄や交換を行う必要性も出てきます。
- 試料自体が水質の影響を受けます。多量の不純物を含む水を使用すると、試料表面への沈殿、水垢形成、さび付きの原因となります。
水質の影響
有機物有機物を除去することで耐候性試験機の短期間での性能低下による度重なるメンテナンスを防ぎます。また有機物は、試料表面に薄膜を形成することもあります。目標値50 ppb (µg/L)をお勧めします。
シリカ
シリカは、耐候性試験機の不具合の原因となる最も一般的な不純物の一つです。シリカは大抵、不純物に関する問題によく見られる白色粉末の原因となります。
シリカは、除去することがほとんど不可能なフィルム(水垢)を形成し、以下のような問題を引き起こします。
- 試料の色度や光沢度などの数値が実際とずれる。
- 耐候性試験で期待される試料の劣化が抑制される。
- チャンバー内部の反射が減少する。
- ランプに沈殿し、出力を低下させる。
- ラジオメーターに堆積し、検出感度を低下させる。
シリカは、ある種類の微量金属と結合すると、玉虫色の水垢を形成することがあります。
金属
カルシウム、マグネシウム及びイオンは、耐候性試験機の温度、湿度、放射照度、ランニングコストに影響を及ぼす一般的な不純物です。カルシウム、バリウム、ストロンチウムなどのイオンは、水中の炭酸塩と結合して、水の硬度を大幅に増大させ、耐候性試験機や試料に水垢を発生させます。
粒子、生菌
粒子及びコロイドは、これらの試験にとって確実に汚染物質となります。水中の粒子は凝集し、試料上に堅い堆積物を形成します。
高品質の純水を得るには?
上に挙げたような問題を引き起こす、さまざまな不純物を除去するために、いくつかの技術を併用する必要があります。コロイド状シリカは、逆浸透カートリッジの使用により、効率的に除去できます。堆積物を形成する反応性シリカは、逆浸透で適度に除去できます。連続イオン交換及びイオン交換樹脂などの技術を追加することで、シリカ濃度を低 µg/L(ppb)レベルにまで下げることができます。長期にわたり、シリカ濃度を低レベルに維持するために、これら3つの精製技術を併用することをお勧めします。
これらの技術によって、有機物の濃度もTOC < 50 ppbにまで下げることができます。粒子は逆浸透カートリッジ及び通常、逆浸透カートリッジ上流側に設置されるデプスフィルターによって除去できます。イオンは、前述の3つの技術を全て利用することで低濃度にまで除去できます。逆浸透によって大部分のイオンを除去できますが、イオン交換プロセス(連続イオン交換及び/またはイオン交換樹脂)を実施することで、さらに微量レベルにまで除去できます。
参考情報メルクミリポア提供資料参考文献
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