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ZipTipC18および ZipTipC4ピペットチップを用いたエレクトロスプレー/ナノスプレー型マススペクトル用のペプチドまたはタンパク質のサンプル前処理  Tech Note - TN072
カタログ仕様
はじめに



ZipTipTMは、10μL(P-10)のピペットチップです。チップ先端には約0.6μLのC18またはC4樹脂(15μm、球状シリカ)が充填されています。そのためにデッドボリュームができません。分析前にタンパク質、ペプチドあるいはオリゴヌクレオチド試料の濃縮、脱塩および分画に最適で、よりクォリティの高い分析データを提供します。サンプルの吸着、洗浄、溶出をするには、チップ中の樹脂を通してサンプルの吸い上げと吐き出しを行います。回収された試料は、溶出液 1 - 4μL中に不純物が除去され、濃縮されており、直接エレクトロスプレーニードルに移したり、バイアルに注入します。

このプロトコールは、ZipTipC18および ZipTipC4ピペットチップを用いたエレクトロスプレー型マススペクトル用のペプチドまたはタンパク質サンプルの吸着、脱塩、界面活性剤除去、サンプル溶出を容易に行うガイドラインを提供します。

材料の準備
  • ZipTipC18またはZipTipC4ピペットチップ
  • P-10 ピペット、マルチチャンネル P-10ピペット(Biohit ProlineTMピペットを推奨)、 あるいは 自動ピペットワークステーション
  • ウエット溶液: 50% メタノール (MeOH)/トリフルオロ酢酸(TFA)/ミリ-Q水
  • 平衡化および洗浄溶液: 0.1% TFA/ミリ-Q水
  • サンプル調製溶液: 2.5% TFA /ミリ-Q水(5x保存溶液)
    注: タンパクの場合、もしサンプルの溶解性に問題があれば、8Mグアニジンおよび2.5% TFAをミリ-Q水に混合した溶液(5x保存溶液)を代用します。
  • 溶出液:
ペプチド-50% MeOH/0.1% TFAまたは0.1% ギ酸をミリ-Q水に混合
タンパク質-75% MeOH/0.1% TFA または0.1% ギ酸をミリ-Q水に混合

注: 充填されている樹脂がバックプレッシャーをもたらしますので、ZipTipを正確な容量測定用の分注には使用しないでください。最適な吸い上げと吐き出しを実現するために、ピペットを10μlに調節し、ZipTipをしっかり装着してください。プランジャーをデッドストップまで押し下げ、ゆっくり離すかあるいは完全にプランジャーを解放してください。

ZipTipC18または ZipTipC4ピペットチップ選択のガイドライン



ZipTipC18は低い分子量のタンパク質やペプチドに最適で、一方ZipTipC4は分子量が低いものから中程度のタンパク質に最適です。多くの場合、この二つのピペットチップは、上の図で適応範囲がオーバーラップして示されている様に互換性があります。分子量の高いタンパク質は疎水性表面にしっかりと吸着する傾向があるため、100,000MW以上のタンパク質にはZipTipC4が使用できます。

使用手順

サンプル準備:
ZipTipへの最適な吸着は、TFAまたはその他のイオンペアー試薬の存在下で行うことができます。サンプルの吸着を最大限にするには、適切なサンプル調整溶液を使用してください。最終TFA濃度はpH4以下で0.1%-1.0%の間にしてください。ZipTipへのタンパク質の最適な吸着には、カオトロピック試薬(例えば、 最終濃度を2-4Mにしたグアニジン-HCl)が必要なこともあります。もし、サンプルにカオトロピック塩を含まない場合には、カオトロピック試薬を吸着の数分前に添加してください。界面活性剤が過剰の場合には、例えば、SDS (<0.1%), TritonTM(<1%)およびTweenTM(<0.5%)になるように、0.1%TFAでサンプルを希釈してサンプル吸着可能な状態にすることができます。

サンプル吸着のためのZipTipの平衡化:
  1. ZipTipを10μLに設定された最大容量を使えるようにデッドストップまでプランジャーを押し下げてプレウエットします。ウエット溶液をチップ内に吸い上げます。次に吐き出します。これを繰り返します。
  2. 吸着のためのチップの平衡化は、平衡化溶液を用いて3回洗浄することで行います。

ペプチドまたはタンパク質の吸着と洗浄:
一旦、ZipTipを平衡化した後、次の手順に従ってください:
  1. ピペットのプランジャーをデッドストップまで押し下げてサンプルを吸い込むことにより、ZipTipにペプチドやタンパクを吸着させます。サンプル濃度により吸い込みと吐き出しを5から10回繰り返します。 希薄溶液はより多くの接触回数を必要とします。
  2. 少なくとも5回、洗浄溶液を使ってチップを洗浄し、不要物を除きます。5%メタノールを0.1% TFA/水に混合した溶液での洗浄は、脱塩効果を高めることができます。

ペプチドあるいはタンパク質の溶出:
標準ピペットチップを使って新しいバイアルに溶出溶液を2から4μL分注し、その中で溶出します。慎重にZipTipの吸い上げと吐き出しをサンプル中に空気を入れないようにしながらすくなくとも3回行うようにしてください。サンプル回収率を高めるには(濃度を犠牲にして)、溶出容量を10μLまで増すか、あるいはマルチプル溶出(2 X 5μL)により可能です。
ご注意:メタノールは揮発性ですぐに蒸発します。その場合、サンプル回収のために、さらに溶出液を加えてください。

エレクトロスプレイMS用:
サンプルは新しいバイアルに溶出するか、GELoaderTMチップ (Eppendorf cat. no. 0030 001 222)を用いてナノスプレイ ニードルに溶出できます。
1. GeELoaderチップの細いキャピラリー部分から上約2mmでGELoader チップを切断します。

2.最後の吐き出し前に、その切断したGELoader チップをZipTipピペットチップに少し回しながらしっかりと押し込みます。漏れないないようにしっかりと固定することで、ナノスプレイニードルに直接溶出できます。




ZipTipで脱塩したlysozymeのナノスプレー-ES。 lysozymeを含むグアニジンおよびリン酸バッファーをZipTipC18を用いて脱塩処理した後、ナノスプレー技術を使って検出しました。マススペクトル(上)は、塩が全く無く、優れた解像度を表わしています。解析したマスピークは、効率の良い脱塩により、高いクォリティで、正確なマスを示します。