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第1章 マルチスクリーンセパレーションシステムの概要
はじめに
この章では、次の項目について説明します。
• マルチスクリーンセパレーションシステムの目的
• システム構成部品の機能
• 遠心機を利用したマルチスクリーンセパレーションシステムの実施
• その他の必要器具
マルチスクリーンセパレーションシステムとは?
マルチスクリーンセパレーションシステムは、96ウエルフォーマットを用いたあらゆる分離作業の簡便化を実現するろ過システムで、生化学的アッセイ、核酸精製, ハイスループットの試料調製、分析装置用の試料調製など、さまざまな分離作業に適用することができます。このシステムを利用すれば、インキュベート、ろ過、沈殿、固定化、回収、および検出を、マルチスクリーンアッセイプレート内で直接実施することができます。本システムは、底部がフィルター構造となっている微量滴定用の滅菌または非滅菌96ウエルプレートから構成されており、バキュームマニホールドまたは遠心機で使用することができます。マルチスクリーンプレートは、96個のウエルそれぞれを独立したメンブレンでシールした構造となっています。プレートには特許取得のアンダードレインを使用しており、吸引装置または遠心機を使用して定量的なろ液回収が行なえるだけでなく、洗浄を繰り返し迅速に行なうことも可能となっています。また、アンダードレインの支持構造により、最大21日もの長期にわたってインキュベーション中に液量を維持することが可能です。さまざまな孔径の多様な微小孔メンブレンおよびフィルターペーパーを使用したプレートをご用意しており、お客様のアプリケーションに最適なプレートをお選びいただけます。マルチスクリーンセパレーションシステムでは、このように多孔質媒体を選択できるだけでなく、プレート材質もほとんどすべての適した素材から選択することが可能です。主に水溶液を使用するアプリケーション向けの透明プレート、マイクロプレートのシンチレーションカウントまたはフラッシュタイプの化学発光が必要なアプリケーション向けの不透明プレート、耐溶媒性プレートが必要なアプリケーションに適用可能なプレートなど、さまざまな製品をご用意しております。化学発光またはグロータイプの化学発光が発生するアプリケーション向けの白色プレートや、蛍光用の黒色プレートもございます。
用途と特長は?
マルチスクリーン96ウエルろ過プレートのウエルに試料を添加し、インキュベート後、そのプレートをバキュームマニホールドまたは遠心機でろ過します。ろ液を96ウエル標準またはディーププレートの各ウエルに回収することも、洗浄液を直接ドレインに廃棄することも可能です。ろ過後、プレートをマイクロプレート用シンチレーションカウンターなどのトップリーディング式の検出装置で分析することができ、また、ミリポアのマルチプルパンチアッセンブリーを使用して各ウエルからメンブレンを切り出し、放射性同位元素検出による分析を行なうことも可能です。ろ液の回収と検出は、どのような方法でも行なうことができます。マルチスクリーンを使用すれば、96個の試料を迅速に処理することができ、余分な操作の必要なく作業効率を高めることができます。本プレートではウエルごとに独立したメンブレンが使用されているため、クロスコンタミネーションの心配なく、再現性の高い結果を得ることができます。マルチスクリーンシステムは、ビーズ、レジン、またはソフトゲルを使用したアッセイにも適用することが可能です。マルチスクリーンプレートの96個のウエルに、ミリポアカラムローダーを使ってクロマトグラフィ用媒体を充填し、96ウエルプレート用の遠心機を使用してろ液を回収します。
マルチスクリーンシステムの代表的な用途
| Protein and Cell-Based Applications | Nucleic Acid Purifications | General Sample Preparation |
| Toxicity assays with cells and small organisms) | Dye terminator removal | 96-well chromatography |
| Receptor/Ligand binding assays | PCR clean up | Neonatal screening sample preparation |
| TCA precipitation | Plasmid miniprep purifications | Combinatorial bead cleavage |
| Enzyme assays (e.g., kinase assays) | Genomic DNA purification | Removal of bacterial contaminants |
| Cell culture and proliferation assays | M13 phage prep | |
| Cell penetration assays involving mammalia, bacteria, yeast, and fungi | Reverse transcriptase | |
| Cytokine investigations (ILs, TNFs) | In situ hybridization | |
| Solid phase immunoassays | ||
| Fluorescent or chemiluminescent assays | ||
| ELISPOT |
マルチスクリーンセパレーションシステムの構成部品
マルチスクリーンシステムは下記の部品から構成されています。
• ディスポーザブルの96ウエルろ過プレートアッセンブリー
• バキュームマニホールド
• ビーズまたはレジン充填用のカラムローダー
• 遠心機用アライメントフレーム
• プレート密封用のプレートテープ
• マルチプルパンチアッセンブリー
• 8連キャリアラック
• ディスポーザブルのパンチチップ
プレートアッセンブリー、バキュームマニホールド、および遠心ろ過については、下記のセクションで詳しく説明しています。マルチプルパンチアッセンブリーの詳細については、第5章をご覧ください。
非滅菌および滅菌マルチスクリーンプレート
滅菌および非滅菌マルチスクリーンプレートは、96ウエルプレートとフタから成り、プレートには一体構造のプラスチック製アンダードレインが付属しています。アンダードレインは、かならずアッセイが完了してから取り外してください。滅菌プレートには独立した滅菌トレイか、パッケージと一体構造となった滅菌トレイの、いずれか一方が付属しています。このトレイによってプレート底部の滅菌性が維持され、インキュベーションでの利用を可能としています。滅菌プレートは個別包装されています。既にご紹介したとおり、多様な材質と孔径のメンブレンの中から、お客様の実験用途に最適なプレートをお選びいただけます。各プレートには製品型番が直接印字されていますので、プレートの種類の識別が非常に容易です。
以下の各セクションでは、それぞれのプレートについて図解し、部品について機能を説明します。
非滅菌マルチスクリーンプレートの部品および機能
マルチスクリーンプレートは、取り外し可能なフタ(A)、フィルタープレート(B)、フィルタープレートと一体構造となっているアンダードレイン(C)という3つの部品から構成されています。
| 記号 | 部品 | 機能 |
| A | フタ | プレートのウエルを覆って保護します。 |
| B/C | 一体構造のフィルターおよびアンダードレイン(C)が付属したマルチスクリーンろ過プレート | インキュベート、洗浄、およびドレインまたは回収プレートへのろ過を行ないます 警告: アンダードレインは、かならずアッセイが完了してから取り外してください。 |
滅菌マルチスクリーンプレートの部品および機能
下図は、滅菌プレートでの配置を示したものです。
滅菌透明タイプのプレートHV, DV, BV その他の全タイプの滅菌プレート
| 記号 | 部品 | 機能 |
| A | フタ | プレートのウエルを覆って保護します。 |
| B/C | 一体構造のフィルターおよびアンダードレイン(C)が付属したマルチスクリーンろ過プレート | インキュベート、洗浄、およびドレインまたは回収プレートへのろ過を行ないます 警告: アンダードレインは、かならずアッセイが完了してから取り外してください。 |
| DまたはE | 滅菌トレイ | • プレート底部の滅菌性を維持します ・ 安定した取り扱いを可能とします |
マルチスクリーンバキュームマニホールド
ミリポアのマルチスクリーンバキュームマニホールドは、マルチスクリーンフィルタープレート用に設計された製品で、多様なアプリケーションにおいて迅速な洗浄や試料の回収を行なうことができます。バキュームマニホールドは高密度ポリエチレン製で、ポリプロピレン製の取り付け部材を使用しており、完全な耐溶媒性となっています。ミリポアの吸引ポンプに接続して使用するのが最適ですが、"固定式の"吸引装置でもお使いいただけます。マニホールドの外部on/offバルブ、吸引コントロールバルブ、および圧力計により、フィルタープレートにかかる吸引力を高い再現性で設定・測定することが可能です。バキュームマニホールドリングの上部および底部は、耐溶媒性EPDMガスケットで密閉されています。リングには標準およびディープウエルの2種類のサイズがあり、標準およびディープウエル(1 mL)レシーバープレートに対応しています。プレナムの陰圧測定を目的とした圧力計取り付け用として、リング側面にゲージプラグを設けてあります。マニホールドリングの上面開口部には、ステンレス製マニホールドサポートグリッドをはめ込めむことができるようになっています。ろ過操作中は、マニホールドサポートグリッド上に96ウエルろ過プレートを設置します。ろ液を回収する必要がある場合は、バキュームマニホールドのベースにレシーバープレートを設置してください。レシーバープレートのなかには標準より多少小さい製品もありますが、プレートアライメントタブを使用すれば、バキュームマニホールドのベース内にぴったりはめ込むことが可能です。
その他の吸引システム
ミリポアのマルチスクリーンバキュームマニホールドは、アッセイに最適なマルチスクリーンプレートを使用して、ハイスループットのスクリーニングアッセイをどのような自動化システムにも組み込むことができるように設計されています。自動化システムの製造メーカーの多くは、各社独自の吸引ろ過システムを提供しています。ミリポアは次の製造メーカーと協力して、各社の自動化システムで当社のマニホールドが使用できること、あるいは各社の吸引システムがマルチスクリーンプレートに対応することを確認しています。協力各社はBeckman, Matrix, Sagian, Tecan, TomTec, およびZymarkです。
マルチスクリーンバキュームマニホールドの部品および機能
| 記号 | 部品 | 機能 |
A | On/Offバルブ | 吸引装置のバルブ開閉を行ないます。 |
B | 吸引コントロールバルブ | 陰圧のコントロールを行ないます。 |
C | プラスチック製リング、標準ウエル用 | マニホールドベース上にガスケットとマニホールドサポートグリッドを保持して、標準レシーバープレートを使用できるようにします。 |
D | プラスチック製リング、ディープウエル用 | マニホールドベース上にガスケットとマニホールドサポートグリッドを保持して、ディープレシーバープレートを使用できるようにします。 |
E | マニホールドサポートグリッド | ろ過中にプレートを保持します。必ず使用してください。 |
F | バキュームマニホールドガスケット | マニホールドサポートグリッドとリングを密封し、漏出を防ぎます。 |
G | 圧力計 | プレナム内の陰圧測定に用います。 |
H | ゲージプラグ | フレームに、プレナム内の圧を測定する圧力計を装着するためのものです。圧力計を使用しない場合は、リングに装着したままにしておいてください。 |
I | 六角キーレンチ | ゲージプラグの取り外し時または交換時に使用します。 |
J | 直管コネクター | マニホールドをon/offバルブとチューブを使って吸引装置に接続するためのものです。 |
K | 三方コネクター | on/offバルブと吸引コントロールバルブの両方を使用したい場合に、吸引チューブコネクターの替わりに使用します。 |
L | プレートアライメントタブ | アンダーサイズレシーバープレートを正しく配置するためのものです。 |
N | FEPライニングしたPVCチューブ、1/4" I.D. | アッセンブリーを吸引ポンプまたは同等の吸引装置に連結します。 |
N | 7/16"レンチ | 三方コネクターまたは直管コネクターの交換に使用します。 |
遠心ろ過
ほとんどの場合、遠心機よりバキュームマニホールドを使用した方が総操作時間を短縮することができます。しかし、マイクロプレート用のスイングバケット式ローター遠心機を使用する必要が生じることもあります。例えば、96ウエルミニカラムを使用したゲルクロマトグラフィ操作では、通常、カラムの充填に遠心操作が必要となります。バキュームマニホールドを使用すると、担体ベッドにチャネリングやクラッキングが生じるため、最適な充填は得られません。アルコール系溶剤のような溶剤の含有率が高いろ液(>40%)や、Tween(R)やドデシル硫酸ナトリウム(SDS)といった何らかの界面活性剤を含有しているろ液を回収する場合にも、遠心操作が必要となります。このような溶液のろ過に吸引を利用すると、プレートからレシーバープレートへの移行時にクロストークが生じる可能性があります。VMWPや限外ろ過メンブレンを装着したマルチスクリーンプレートを使用する場合には、メンブレンの孔径がきわめて小さいため、ウエルから効率的にろ過するには遠心操作を行なう必要があります。メンブレン孔が詰まってうまく吸引ろ過できない場合に、遠心ろ過が有用となることもよくあります。
マルチスクリーンシステムの使用に必要なその他の器具
マルチスクリーンプレートをバキュームマニホールドで使用するには、その他にも次のような器具が必要です。
• 吸引ポンプまたは同等の吸引装置(XX55 000 00または同等品)
注: ミリポアでは、安定した吸引を得るため、吸引ポンプの使用をお薦めしています。吸引ポンプを使用した場合、一定圧の維持が可能で、再現性の高い結果を得ることができます。ポンプは直接操作することができ、OFF/ONスイッチによって吸引をコントロール可能です。他の方式の吸引装置(固定式の吸引装置)では、他の人がどの程度使用しているかによって、あるいは1日のうちのどの時間に使用するかによって圧が変化するため、問題が生じる可能性があります。
• Millex-FG50フィルター(または同等品)
注: 吸引装置の汚染を防ぐため、Millex-FG50フィルター(または同等品)をご使用ください。(詳しくは2章をご覧ください)
マルチスクリーンセパレーションシステムのプレートを遠心機で使用する場合には、次のような器具が必要となります。
• マイクロプレート用のローターとキャリアを備えたスイングバケット式遠心機
• マルチスクリーン遠心機アライメントフレーム
マルチスクリーン製品およびアクセサリーの詳細については、当社のウェブサイト/multiscreenをご覧ください。または、最寄りのミリポア営業所にお電話のうえ、文書番号PB088をご請求ください。
第2章 マルチスクリーンバキュームマニホールドの利用
はじめに
この章では、下記の実施方法について説明します。
・バキュームマニホールドの開梱およびセットアップ
・吸引によるシステムの運転
バキュームマニホールドの開梱およびセットアップ
以下の各セクションでは、標準量または大量試料の吸引ろ過を目的としたマルチスクリーンバキュームマニホールドのセットアップ方法について説明します。実施には、滅菌または非滅菌マルチスクリーンプレート、バキュームマニホールド、および吸引ポンプ(または同等の吸引装置)が必要です。
バキュームマニホールドの開梱
バキュームマニホールドの包装を開いた際、次の部品が入っていることを確認してください。これらの部品については、第1章の"マルチスクリーンバキュームマニホールドの部品および機能"セクションに図解してあります。
・三方コネクター付きバキュームマニホールドベース
・ガスケット付き標準リングアッセンブリー、ゲージプラグ、およびマニホールドサポートグリッド
・チューブ付き吸引ON/OFFバルブ
・チューブ付き吸引コントロールバルブ
・チューブ付き圧力計
・FEPライニングしたPVCチューブ
・直管コネクター
・プレートアライメントタブ
・六角キーレンチ
・7/16"レンチ
サポートグリッドの取り付け
標準用およびディープウエル用リングアッセンブリーのどちらの場合も、ステンレス製サポートグリッドと2個の耐溶剤性ガスケットが必要です。グリッドは、吸引ろ過中におけるマルチスクリーンプレートのアライメントと、支持を行なうためのものです。基本的なバキュームマニホールドキットでは、標準ウエル用リングに予めサポートグリッドが装着されています。しかし、グリッドを取り外す場合や、標準ウエル用リングとディープウエル用リングの間で交換する必要がある場合は、かならずグリッドをガスケット内に取り付けてください。サポートグリッドと上部ガスケットには、相補的なタブ/スロットが付いており、2つの部品が正しく配置できるようになっています。また、グリッドの一方の側面には、"up side"ラベルが表示されています。正しく取り付けられていれば、装着したマニホールドを見下ろした時にこのラベルが作業者の方を向いているはずです。グリッドを押し込みながら、同時にリングの側面を引っ張ってはめ込んでください。正しく装着されていれば、グリッドとガスケットはしっかりとはまり込み、通常の操作中であれば外れることはありません。
バキュームマニホールドの組み立て
バキュームマニホールドを、付属のON/OFFバルブと吸引コントロールバルブを両方とも接続して使用する場合は、下記の手順にしたがってください。
1. ON/OFFバルブチューブの末端を、三方コネクターのエンド側接続部に、できるだけ奥まで押し込みます。
2. 吸引コントロールバルブチューブの末端を、三方コネクターのトップ側接続部に、できるだけ奥まで押し込みます。
3. リングアッセンブリーをバキュームマニホールドのベース上に設置します。
圧力計の取り付け
バキュームマニホールドには、ON/OFFバルブや吸引コントロールバルブ以外にも、圧力計を接続することができます。このような特殊な構成では陰圧値の測定が可能なため、ろ過速度が厳密に規定される詳細なアッセイプロトコールの作成や遵守を行なうことができます。また、固定式の吸引装置(非推奨)を使用する場合には、バルブと圧力計を併用することで圧コントロールを改善することができます。
圧力計をバキュームマニホールドに接続する場合、下記の手順にしたがって行なってください。
1. 付属の六角キーレンチでリング側面のゲージプラグを取り外します。
注: ゲージプラグは、紛失しないようにご注意ください。マニホールドリングから圧力計を取り外した時には、再びゲージプラグを取り付ける必要があります。
2. 圧力計のコネクターをリングにねじ込んで取り付けます。圧力計チューブから垂直に突き出たコネクターを使用してください。チューブ末端には陰圧開放バルブが内蔵されており、マニホールド運転中はシューという音をたてます。
注: 接続部を強く締めすぎないでください。4回以上まわす必要はありません。
マニホールドの外部コントロール用のその他の構成
もっとも基本的な構成でバキュームマニホールドを使用する場合は、三方コネクターを取り外して直管コネクターに交換してください。
1. 付属の7/16"オープンエンドレンチを使用してコネクターをゆるめ、ベースから回し取ります。このベースに直管コネクターを取り付けます。レンチを使用して8~10回回転させてください。締め付けすぎないようにご注意ください。
2. ON/OFFバルブチューブの末端を、マニホールドベースの吸引チューブコネクターに押し込みます。
マルチスクリーンバキュームマニホールドのセットアップ
1. バキュームマニホールドを、ポンプ(あらゆる種類の振盪装置を含む)振動の影響が及ばない安定した場所の実験台上に設置します。
注: 吸引ポンプは、マニホールドと同じ実験台上には設置しないでください。
2. 定量的なろ液回収を行なう場合は、96ウエルプレートをマニホールドベース内に設置します。
注: ご使用のプレートがマニホールドベースにぴったりはまらない場合は、下記の"アンダーサイズ回収プレートの配置"セクションをご参照ください。
3. 付属のチューブを使用して、ご使用の吸引装置をバキュームマニホールドに接続してください。
注: システムは、チューブが折れ曲がらないような十分広い空間でセットアップしてください。チューブが折れ曲がると気流が低減します。また、チューブ内層の破損にもつながり、耐溶媒性の低下を招きます。チューブが折れ曲がっている場合は、折れ曲がり部分の下でチューブを切断し、吸引装置をマニホールドに接続しなおしてください。
4. 吸引装置を汚染から保護するため、吸引ラインの途中にMillex-FG 50フィルター(または同等品)および吸引フラスコトラップを設けます。多量の洗浄液を用いる場合は、吸引フラスコトラップが多量の液を収容するのでマニホールドの洗浄が容易となります。下記のような構成としてください。
警告: 有機溶媒をろ過する場合は、Millex-FG50フィルターがぬれる可能性があるため、第2の吸引トラップを設けてポンプを保護する必要があります。
アンダーサイズ回収プレートの配置
やや小型のアンダーサイズ回収プレート(ポリプロピレン製など)を使用する場合、そのようなプレートをろ過プレートと確実に正対させる必要が生じます。マルチスクリーンバキュームマニホールドには2個のプレートアライメントタブが付属しており、これを装着することによりアンダーサイズ回収プレートを使用することができるようになります。タブを使用すれば、ご使用のろ過プレートのウエルと回収プレートのウエルを正対させることができます。プレートアライメントタブの取り付けは、下記の手順にしたがって行なってください。
1. 梱包からアライメントタブを取り出します。
2. 凸側を上に向けます。
3. タブを、マニホールドベースのタブスロットにゆっくりと押し込みます。
バキュームマニホールドの較正
吸引コントロールバルブは、特定のろ過操作中に操作者が陰圧状態を把握しやすいよう、数字と色によるシステムを採用しています。
バルブ上部には回転式のゲージが取り付けられています。ゲージを時計回りと逆方向に回転させると、ゲージ上の各数字をバルブ本体の基準線に合わせることができます。また、ゲージを回転させるにしたがい、ゲージ軸部には赤色、青色、金色、緑色、銀色が順に現われます。マニホールドを特定の圧で運転している際には、その圧を、基準線に面した数字とゲージ軸部の色の両方から照合することができます。
注: 吸引力を最小にするには、吸引コントロールバルブ上部のゲージを完全に開放してください(全色表示)。吸引力を最大にするには、ゲージを閉じてください(表示色なし)。これらの数字および色をより科学的な用語に置き換えるため、リングに取り付けた圧力計を使ってマニホールドを較正したい場合もあると思われます。標準的な(フィルターなしの)96ウエルプレートをマニホールドグリッド上に置き、ご使用の吸引装置を運転開始してから、マニホールドのON/OFFバルブをONの位置に回してください。吸引コントロールゲージを回転させながら、圧力計に表示される圧を記録します。下記の例のようなチャートを作成してください。
| バキュームマニホールドの圧 | 吸引装置の圧 | 吸引コントロールゲージの設定 |
| 4" Hg | 22" Hg | 3.1回転 (設定1、緑色リング) |
| 6" Hg | 22" Hg | 2.9回転(設定9、金色リング) |
| 12" Hg | 22" Hg | 2.1回転(設定1、金色リング) |
| 18" Hg | 22" Hg | 0.9回転(設定9、赤色リング) |
バキュームマニホールドの較正を完了した後は、ろ過を始める前に圧力計を取り外したいと考える場合が多いと思います。六角キーレンチを使ってリング側面から圧力計を取り外し、替わりにゲージプラグを取り付けます。
吸引を用いた本システムの運転
本セクションでは、バキュームマニホールドを使用したろ過向けのマルチスクリーンプレート調製法について説明します。また、典型的なマルチスクリーンアッセイ方法および実施手順についても概説します。ここに紹介されている実施手順は、お客様がマルチスクリーンで実施されるアプリケーションにとってかならずしも適したものとは限りません。必要となる正しい手順の詳細については、実施される特定アプリケーションのアッセイ要件ならびにそのアッセイ向けのマルチスクリーン法をご参照ください。お客様のアプリケーションに特有の技術情報については、当社ウェブサイト/multi-screenをご参照ください。
溶剤適合性に関する情報
下表に、マルチスクリーンバキュームマニホールド各種部品との適合性を評価済みの溶剤について記載しました。マニホールドを使用する前に、ご使用予定の溶剤の適合性をご確認ください。
| Solvent | Manifold Base &TallRing | Gaskets | Short Ring | Tubing Inside:Outside | Support Grid | Control Valve | On/Off Valve |
| Materials of Construction | HDPE | EPDM | Nylon | FEP lined Tygon | Stainless Steel | Brass Socket/ Steel Case | PP with EPDM seal |
| Comments | Crimping of tubing can alter resistance | Normally No Fluid Contact | |||||
| Acetone | Rinse-G | G | G-E | E:NR | E | E | G-E |
| Acetonitrile | E | E | E | E:NR | E | E | G-E |
| Dimethyl Formamide (DMF) | E | E | Rinse | E:NR | E | E | G |
| Dimethyl Sulfoxide (DMSO) | E | E | E | E:Rinse | E | E | G |
| Ethyl Acetate | E | E | E | E:NR | E | G | G-E |
| Ethanol | E | E | G | E:E | E | E | E |
| Formic Acid | E | E | NR | G-E:NR | G-E | P-Rinse | G-E |
| Hexane | Rinse | Rinse | Rinse | Rinse-G:P | E | E | G-E |
| Hydrochloric Acid | E | E | Rinse -NR | E:Rinse | |||
| Isopropanol | E | E | Rinse | E:G | E | E | E |
| Methanol | E | E | Rinse | E:G | E | E | E |
| Methylene Chloride | Rinse | Rinse | Rinse-G | E:NR | E | E | P-Rinse |
| Sodium Hypochlorite | E | E | NR-P | E:Rinse | G | G | G |
| Tetra hydro furan (THF) | Rinse | Rinse | E | E:G | E | E | NR |
| Toluene | Rinse | Rinse | E | E:Rinse | E | E | Rinse |
| Trichloroacetic Acid (TCA) | E | E | G | E:G | G-E | Rinse | Rinse-G |
| Trifluoroacetic Acid (TFA) | E | E | Rinse | E:Rinse | Rinse - G | P -Rinse | G |
| E = Excellent performance; G = Good; Rinse = Rinse after prolonged contact; P = Rinse immediately; NR = Not recommended | |||||||
プレート調製の要件
通常、アッセイ用の試薬を添加する前に、試薬が均一に分布するようにマルチスクリーンプレートの各ウエルをプレウェットしておく必要があります。使用するプレウェット液はプレートに使われているメンブレンの性質によって異なります。“プレートタイプ別の調製”の表に示すとおり、DPメンブレンおよびイモビロン-Pメンブレンを除くすべてのメンブレンは、100 μLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)またはアッセイの最初の手順で使用するバッファーでプレウェットする必要があります。プレートのプレウェットは、適切な試薬を添加して1分間インキュベーションしたのち、マルチスクリーンバキュームマニホールドでろ過することにより行います。疎水性のイモビロン-Pメンブレンの場合は、50%エタノールでプレウェットしてください。DPメンブレンはプレウェットしないでください。
Plate Type | Pore Size/Membrane | Pre-Wet |
GV | 0.2 μm Durapore ® | Yes |
HV | 0.45 μm Durapore | Yes |
DV | 0.65 μm Durapore | Yes |
BV | 1.2 μm Durapore | Yes |
CM | 0.4 μm Biopore™ | Yes |
R4 | 0.4 μm LCR | Yes |
R1 | 1.0 μm Omnipore™ | Yes |
R5 | 5.0 μm Omnipore | Yes |
DP (Protease) | 0.65 μm Treated Durapore | No |
IP | 0.45 μm Immobilon-P | Yes ( 50% ethanol ) |
NP | 0.2 μm Immobilon-NC Pure | Yes |
HA | 0.45 μm MCE | Yes |
FC, BC | Glass Fiber, Type C | Yes |
FB | Glass Fiber, Type B | Yes |
DE | DEAE | Yes |
PH | Phosphocellulose | Yes |
N4 | Nylon | Yes |
NA | For Lysate Clearing | Yes |
Mesh | Nylon Mesh | No |
MM | Whatman 3mm Paper | Yes |
マルチスクリーンシステムはさまざまな分離操作にお使いいただけますが、下記の手順では標準的なマルチスクリーンの操作手順について概説します。
1. 96ウエルプレートの各ウエルに、調製したサンプル(10~250 μL)を添加します。プレートにフタをかぶせ、インキュベーションします。
2. プレートのフタをとり、プレートをマニホールドサポートグリッド上に設置します。
警告 : バキュームマニホールドの運転は、必ずスチール製プレートサポートをガスケット上に正しく設置してから行ってください。正しく設置されていない場合、吸引が適切に行われないことや、プレートがアンダードレインから突然勢いよく外れることがあります。
3. マニホールドを使って、プレートが空になるまでろ液を吸引します。
4. 試薬またはサンプル(あるいはその両方)をプレートに添加します。フタをかぶせてインキュベーションします。手順2~4を必要な回数繰り返します。
5. 実施するアッセイの必要に応じて、ろ液またはリテンテートあるいはその両方を分析します。
詳細な操作手順
このセクションでは、マルチスクリーンシステムの使用法に習熟していただくための操作手順をご紹介します。実際のアプリケーションでの手順とは異なる場合があります。たとえば、試薬を添加する前にインキュベーションと洗浄が必要になる場合もあると思われます。詳細については、お客様のアプリケーションのアッセイ要件をご参照ください。
1. 96ウエルろ過プレートを箱から取り出し、作業エリアの清潔な実験台上に置きます。
それぞれの標準プレートには製品型番が印字されており、プレートの識別と再注文を容易に行うことができます。第1章でご説明したとおり、滅菌および非滅菌プレートはどちらも96ウエルプレートとフタから成り、プレートにはアンダードレインが付属しています。
警告: アッセイが完了するまでは、プレートからプラスチック製アンダードレインを取り外さないでください。サンプルのろ過前にアンダードレインを取り外してしまうと、それはプレートが破損したことを意味し、液漏れが生じたりバキュームマニホールドや遠心機で操作することができなくなったりします。回収したろ液だけを分析するアッセイの場合には、アンダードレインを取り外す必要はありません。
2. ご使用になっている標準的な操作方法でサンプルを調製します。本システムを初めて利用する場合は、必要に応じ、実際のサンプルの代わりに試験サンプルを調製したり、色素を添加した水を使用したりすることもできます。
3. バキュームマニホールドのON/OFFスイッチを回してOFFの位置に合わせます。吸引コントロールゲージを最低値(すべての色が見える状態)に設定します。吸引ポンプまたは吸引装置を運転して、吸引リザーバーまたはトラップ用フラスコを吸引します。
警告: バキュームマニホールドの運転は、必ずスチール製プレートサポートをガスケット上に正しく設置してから行ってください。正しく設置されていない場合、吸引が適切に行われないことや、プレートがアンダードレインから突然勢いよく外れることがあります。
4. プレートをマニホールドサポートグリッド上の中央に設置し、プレートのふたを外します。定量的なろ液回収を目的として96ウエルプレートをマニホールド底部に設置した場合は、マニホールド上に設置したプレートのA1ウエルがマニホールド内の平底プレートのA1ウエルと対応していることを確認してください。
注: マルチスクリーンプレートは、適切なアンダードレインサポートを装着していないマニホールドでは使用しないでください。ミリポア以外にも数社の自動化システム製造業者が、承認を受けたマニホールドを製造しています。しかし、本プレートの指定マニホールドを使用しない場合は、ミリポアのプレート保証が無効となる可能性があります。詳しくはTechnical Serviceまたは最寄りのミリポア営業所まで、お電話でお問い合わせください。
5. 適量の試験サンプル(10~250 μL)を、96ウエルろ過プレートの各ウエルにピペットで分注します。
注: Tweenなどの界面活性剤を含有する水性サンプルを使用する場合や、アルコールのような表面張力の低い液体を使用する場合は、ろ液の回収に支障が生じることがあります。このような場合は、ろ液回収用のサンプルを添加する前に、界面活性剤を含有しないバッファー200 μLでプレートを洗浄してください。
6. ろ過の要件に適するようにバキュームマニホールドのコントロールバルブを調節してください。ろ過の条件は、使用する液体の粘性、プレートの種類、および使用するフィルターの孔径によって異なります。
注: DEまたはPHプレートを使用する場合は、吸引流量を常に4~8" Hgに維持し、洗浄と洗浄の間には吸引装置の運転を停止してください。このような低い吸引圧を達成するには、吸引ポンプを12"~15" Hgに設定したうえで、マニホールドの吸引コントロールバルブをマニホールドプレナム内が4" Hgとなるように設定する必要があります。
7. バキュームマニホールドのON/OFFバルブを回してONの位置に合わせます。吸引によって完全な密封に達すると、プレートがマニホールドに密着するので確認できます。
注: 密封が不完全な場合は、プレートがマニホールドサポートグリッドの中央に設置されているかどうか確認してください。プレートが中央に正しく設置されている場合、いずれのタイプのプレートでも12" Hgの陰圧があれば十分に吸引を開始することができます。この操作では、ON/OFFバルブを解放する前にチューブおよびトラップ用フラスコの排液を行っておく必要があります。マルチスクリーンレジストプレートなどの一部のプレートでは、12" Hg未満で密封に達します。12" Hgの吸引が行う装置がない場合は、96ウエルろ過プレートの縁の中央部を指で強く押さえ、密封状態となるのを助けてください。
8. サンプルが吸引され、各ウエルのフィルター素材を通ってバキュームマニホールドの回収エリアに回収されていくことを観察してください。
注: ウエルが空になるまでに30秒以上を要する場合は、DEまたはPHプレートを使用している場合を除き、吸引力を高めてください。
9. サンプルがプレートから完全に吸引されたら吸引を終了します。バキュームマニホールドからプレートアッセンブリーを取り外し、プレートにフタをかぶせてサンプルのコンタミを防ぎます。
注: 吸引終了後、プレートがマニホールドから自然に分離するには8~10秒を要します。吸引コントロールバルブを全開 (すべての色が見える状態) とすることにより、この時間を短縮することができます。
第3章 マルチスクリーンろ過プレートの遠心機での使用
はじめに
この章では、次の項目について説明します。
- 遠心装置の要件
- 遠心機を用いたシステム操作法
- マルチスクリーンシステムを用いたクロマトグラフィー実施法
機器の要件
このセクションでは、遠心機を使ったマルチスクリーン分離操作に必要な機器について概説します。
遠心機
96ウエルプレートを遠心することができる遠心機が必要です。下記の遠心ローターおよびキャリアラック(キャリア当たり2枚の96ウエルプレートを保持可能)については、マルチスクリーンシステムとの適合性を試験済みです。
- Beckman JS 4.2, JS 3.0, and JS 4.3
- IEC 5783
- IEC 49852
- Jouan CR4-22, M4ローター: キャリヤ #1174168
- Sorvall PN11065
- Beckman GH3.7ローター
- Beckman TH-4ローター
マイクロタイタープレート
ろ液の回収にはマイクロタイタープレートが必要です。柔軟性のないプラスチック製プレートを使用する場合は、遠心加速度を1,000 g以下に抑える必要がある場合があります。易破損性プレートのクラッキングは、レシーバープレートの下にシリコンパッドを敷くことによっても防ぐことができます。
遠心機用アライメントフレーム
ミリポアでは、マルチスクリーンプレートを96ウエル回収プレートに密着させるために遠心機用アライメントフレームをご使用されるよう強くお薦めしています。マイクロタイタープレートの寸法には、かなりのばらつきが見られます(特にポリプロピレン製の場合)。ミリポアでは、どのようなマイクロタイタープレート内にもろ液の正確な回収が行えるように遠心機用アライメントフレームをご用意しています。遠心機用アライメントフレームは再使用可能で、レシーバープレートとマルチスクリーンアンダードレインの間にはめ込むことにより正確なアライメントが可能となります。
遠心機用アライメントフレームを96ウエル回収プレートの上にはめ込んだのち、アライメントフレーム上にマルチスクリーンプレートを設置してください。
注: 外辺に縁のないレシーバープレートの場合は、遠心機用アライメントフレームに正しくアライメントできません。
マルチスクリーンプレート
お客様のアプリケーションに最適なマルチスクリーンプレートを選択してください。ミリポアでは、遠心アプリケーションには一般に低結合性デュラポアプレートまたは疎水性PTFEプレートをお薦めしています。これらのプレートの使用が必要なアプリケーション向けとして、ミリポアでは疎水性PTFEフィルターを採用した耐溶媒性のポリプロピレン製プレートを製造しています。
警告: HAおよびNC Pureプレートは決して遠心しないでください。遠心した場合、メンブレンに亀裂が生じる恐れがあります。
標準的な操作手順の概要
1. 96ウエルレシーバープレート上に遠心機用アライメントフレームを設置し、フレーム上にマルチスクリーンプレートをはめ込みます。
2. マルチスクリーンプレートのウエルにサンプルを添加します。
3. マルチスクリーンプレートにフタをかぶせます。
4. 遠心機の平衡をとるため、2枚または4枚のプレートアッセンブリーに対して手順1~3を繰り返します。
5. プレートアッセンブリーを、スイングバケット式遠心機のプレートキャリアに設置します。
6. 遠心します。
警告: ほとんどのプレートは1,000 × gの遠心加速度に耐えますが、柔軟性のないマイクロタイタープレートの多くは1,500~2,000 × gで破損します。ポリプロピレン製プレートは、もっと大きな遠心加速度にも耐えます。レシーバープレートの下に薄いシリコンゴム製シートを敷くことにより、プレートのクラッキングを防止することができます。
7. レシーバープレートからマルチスクリーンプレートを取り外し、アプリケーションの要件に応じてろ液、リテンテート、またはその両方を分析します。
警告: 遠心後、遠心機用アライメントフレームとアンダードレインを分離する際には、アンダードレインまで剥がれてしまわないように、アライメントフレームとアンダードレインの間に注意深く爪または何らかのツールを挿入して分離してください。
マルチスクリーンシステムを用いたクロマトグラフィーの実施
マルチスクリーンプレートは、96ウエルを用いたクロマトグラフィー担体の処理にも最適です。タンパク質や核酸の脱塩・精製を目的としたゲルろ過担体のローディング、充填、ろ過をマルチスクリーンプレートで行うことができます。また、レジストプレートに逆相担体をローディングすれば、すぐれたステップワイズのクロマトグラフィー法となります。HPLC、Maldi-TOF質量分析、CEなどの分析機器を用いた分析前のサンプルのクリーンナップと精製を、マルチスクリーンプレートを用いてハイスループットで行うことができます。
マルチスクリーンカラムローダー
マルチスクリーンカラムローダーを用いることにより、クロマトグラフィーアプリケーションを簡略化することができます。カラムローダーを使用することにより、乾燥したビーズ、ゲルマトリックス調製用の粉末、または樹脂を、マルチスクリーンプレートの96個のウエルに等量ずつ迅速かつ均一にローディングすることができます。ウエル当たりの重量は、使用する担体によって異なります。カラムローダーには、特定のアプリケーションに対応したさまざまな容量の製品があります。
- 25 μL用。サンプル精製を目的とした逆相担体(C4、C8、C18、SCXなど)のローディング用として。
- 45 μL用。DNAまたはタンパク質の精製を目的としたSephadex(R) G-50またはG-75などのソフトゲルの少量ローディング用として。
- 80 μL用。Sephadex G-25、またはDowex(R)などのイオン交換樹脂のようなハードレジンのローディング用として。
- 100 μL用。アルミナ、Dowex、または他のレジンを大量にローディングする必要がある場合。
注: カラムローダーを用いてマルチスクリーンプレートにクロマトグラフィー担体をローディングする操作では、プレートを倒置する必要があります。したがって、アッセイ実施後のプレートにビーズを充填する必要がある場合は、ピペットを使って充填する必要があります。
カラムローダーの使用法
1. ユニットが清浄で乾燥していることを確認してください。ユニットの洗浄には研磨剤を使用しないでください。
2. レジンの注入時にローダー表面にあふれる過剰なレジンを回収するため、カラムローダーをプラスチック製冷蔵庫保存容器などの適切な容器の上に設置します。
3. ローダーに過剰量の担体を注入します。付属のスクレイパーを使い、担体をすべてのウエルに流し込むとともに、過剰な担体は再使用できるようにオープンエンドから容器内にかき落とします。
4. 空のマルチスクリーンプレートを上下転倒し、プレートの上面がローダーの上面に接するようにローダー上にスライドして差し込みます。上下のウエルが一直線上に並ぶように、プレートがエンドストップに当たるまで完全に押し込んでください。
5. ローダーとマルチスクリーンプレートを一緒に持ち上げ、このアッセンブリー全体を上下に転倒します。アッセンブリーをフードや実験台の側面にかるく叩き、ウエルに残留する粒子を完全に移行させてください。
6. プレートからローダーを慎重に取り外します。担体の粒子は、マルチスクリーンプレートの96個のウエルに均一にローディングされているはずです。
ゲルろ過
マルチスクリーン96ウエルフィルタープレートは、核酸の精製・脱塩などのきわめて多様なアプリケーションに使用することができます。マルチスクリーンプレートでは、市販のミニスピンカラムに類似したゲルろ過法を用いることにより、ハイスループットのアプリケーションに理想的な96ウエルフォーマットの簡便性を得ることができます。マルチスクリーンプレートに充填したミニカラムの場合、15 μlから100 μlまでの広い範囲のサンプル量と、多様なマトリックスを扱うことができます。本プレートに適切な分離用担体を充填すれば、すぐれたサンプル回収率と除去特性が得られます。
警告: ソフトゲル担体の場合、吸引を使って適切に充填することはできません。チャネリングや分離不良の原因となります。イオン交換樹脂(アルミナ、Dowex(R)など)の場合は、吸引により充填することができます。
逆相およびイオン交換クロマトグラフィー
マルチスクリーンプレートにタンパク質精製用としてC4またはC8を充填することにより、あるいはペプチドおよび他の小分子のステップワイズな分画用としてC18を充填することにより、再現性が高く対費用効果にすぐれたサンプル分離を迅速に行うことができます。同様に、イオン交換も数多くのタンパク質や核酸の分離に利用することができます。
クロマトグラフィー用の標準的な操作手順の概要
1. 推奨カラムローダーを用い、担体をプレートにローディングします。
注: ゲルろ過担体は、必ずデュラポアHVまたはR4メンブレンプレートにローディングする必要があります。逆相用溶媒にはレジストプレートを使用してください。分離性能が低下するため、グラスファイバー、DE、およびPHプレートには樹脂や粒子をローディングしないでください。
2. 担体を150~200 μLの適切な液体でプレウェットすることによりプレコンディショニングを行います (たとえば、C18の場合はメタノール洗浄、再生イオン交換樹脂の場合は適切なpHと塩)。
3. アプリケーションに応じて、担体の洗浄と充填を行います。
バキュームマニホールドを使って担体を充填する場合:
フタをとったプレートをバキュームマニホールド上に設置し、最大圧で吸引してください。
遠心機を使って担体を充填する場合:
マイクロタイターレシーバープレート上に遠心機用アライメントフレームをはめ込み、プレウェットしたマルチスクリーンプレートをアライメントフレーム上に設置します。フタをかぶせて遠心します。
必要に応じ、処理予定数のプレートに対し上記を繰り返します。
4. サンプルをロードします。
5. 洗浄を1回または段階的に行い、使用するプロトコールにしたがって溶出します。
第4章 マルチスクリーン装置のメンテナンスおよびトラブルシューティング
はじめに
この章では、次の項目について説明します。
- マルチスクリーンマニホールドのクリーニング
- マニホールドガスケットの交換
- マルチスクリーンセパレーションシステムの問題点および改善策
マルチスクリーンマニホールドのメンテナンス
基本となる予防的メンテナンスは、マルチスクリーンマニホールドを定期的にクリーニングすることです。クリーニングの頻度は、マニホールドの使用頻度と用いる試薬によって異なります。また、バキュームマニホールドのプレートサポート内のガスケットは、時々交換する必要があります。本セクションでは、この2点について手順を概説します。
マルチスクリーンマニホールドのクリーニング
マルチスクリーンマニホールドのすべての表面のクリーニングには、低刺激性石けんまたは標準的実験用洗剤、漂白剤、またはエチルアルコールを用いることができます。クリーニング後は、清浄な水を含ませた柔らかい布またはペーパータオルで残留する成分を完全にすすぎ落としたのち、水分を拭き取ります。放射能汚染除去用の溶液やスプレーを使用することもできます。
定期的にシステムを洗浄運転することにより(緩衝生理食塩水または純水を使って)、システム内をクリーニングしてください。ライン内に乾燥したコンタミは、吸引流量を次第に変化あるいは低下させます。マニホールドベース内に緩衝生理食塩水または純水を満たして十分に洗浄してください。
警告 : コンタミしたサンプルまたは放射性同位元素を用いて装置を運転した場合には、適切な安全規則にしたがってクリーニングを行ってください。
バキュームマニホールドガスケットの交換
マニホールドのプレートサポートに漏出を認めた場合には、本セクションの記載にしたがい、EPDMガスケットを交換する必要があると思われます。これらのEPDMガスケットは、標準リングとディープリングの両方に対応しています。
1. プラスチック製リング構造を持ち上げ (ガスケットとマニホールドサポートグリッドが所定の位置に挿入されたまま)、バキュームマニホールドベースから取り外します。
2. 指を使ってマニホールドサポートグリッドを押し出してください。上部のガスケットを取り外す場合は、開口部の中央に向かって上部ガスケットの端を水平に引っ張ったのち、上に引き上げて取り外してください。
底部のガスケットを取り外す場合は、底部ガスケット各端の中央部を穏やかに引き上げて緩ませてください。すべてのサイドを緩ませたら、全部を一度に持ち上げ、プラスチック製リングの底部から外してください。
3. 新しいEPDMガスケットをパッケージから取り出します。上部のガスケットを交換する場合は、新しい上部ガスケットの各側面の溝を、プラスチック製リング構造の内側のエッジに押し込みます。マニホールドサポートグリッドの外形に対応するスロットが上を向くようにしてください。
底部のガスケットを交換する場合は、ガスケットをプラスチック製リングの底部内側の溝に押し込んでください。
4. マニホールドサポートグリッドをガスケットに戻し入れます。その際、サポートグリッドのタブを、ガスケットの対応するスロットの位置に合わせてください。グリッドを押し込みながら、同時にリングの側面を引っ張ってはめ込んでください。正しく装着されていれば、グリッドとガスケットはしっかりとはまり込み、通常の操作中であれば外れることはありません。
マルチスクリーンシステムのトラブルシューティング
このセクションでは、マルチスクリーンシステムの使用時に遭遇する可能性のある問題点について、解決法をまとめました。
問題点および改善策は、下記のセクションに分けて記載してあります。
- バキュームマニホールド
- 96ウエルろ過プレート
- アッセイ
注: 記載されている改善策についていくつか試したのちも問題が解決しない場合は、お電話またはインターネットのウェブサイトにて、ミリポアのTechnical Serviceにご連絡ください。
マルチスクリーンバキュームマニホールドの問題点および改善策
| 問題点 | 考えられる原因 | 改善策 |
| 流量が得られない/吸引されない | プレートにフタがかぶせられている | フタを取り除く |
| 湿らしていないウエルがあるか、未使用のウエルの遮蔽または密封がされていない | 未使用のウエルをMilli-Q(R)水で湿らせる(これらのウエルはあとで再利用が可能)。もしくは、未使用の横列または縦列をシーリングテープで遮蔽する。横列または縦列の一部を密封する必要がある場合は、未使用の横列または縦列をテープで遮蔽し、隣接する未使用の横列は部分的な遮蔽のままとしておく。次に、バッファーで湿らせる。これは、横列の端を密封するのが困難なためである。(ミリポアのプレートシーリングテープのご注文については第7章をご参照ください) | |
| ガスケット上にプレートが正しく配置されていない | プレートを正しく配置する | |
| 吸引トラップが満水となっている | トラップを空にする | |
| ポンプのフィルターが目詰まりしている | フィルターを交換する | |
| ポンプのスイッチが入っていない | ポンプのスイッチを入れる | |
| マニホールドのon/offバルブが“off”の位置になっている | “on”の位置に回す | |
| マニホールドの圧力計が最低値を指している | 高い値に強める | |
| ガスケットが損傷している | ガスケットを交換する。(新しいガスケットのご注文については第7章をご参照ください) | |
| ゲージプラグを紛失した(シューという音がする) | 六角キーレンチを使ってマニホールドリング内のゲージプラグを交換する | |
| DEまたはPHプレートにエアロックが生じている | 吸引力を4~8" Hgに低下させる。洗浄と洗浄の間は吸引を停止する。(第2章の"詳細な操作手順"セクションの手順6をご参照ください) |
マルチスクリーンろ過プレートの問題点および改善策
| 問題点 | 考えられる原因 | 改善策 |
| ウエルが同時に空にならない/ 流量が一定しない | プレートにフタがかぶせられている | フタを取り除く |
| 吸引ラインのスイッチが入っていない、または詰まっている | ラインの障害を取り除き、操作を繰り返す | |
| サンプルの粒子レベルが高い | ろ過したバッファーでサンプルを希釈する。または、孔径および容量が大きいフィルターに交換する。(文書番号MM014をご参照ください) | |
| 細胞密度が高すぎる(ウエル当たり10(6)以上) | 細胞懸濁液を希釈する。(文書番号MM014をご参照ください) | |
| 孔径が小さすぎる | 孔径の大きいプレートを使用する。(文書番号MM014をご参照ください) | |
| システムにエアロックが生じている | DEまたはPHプレートを使用している場合:洗浄と洗浄の間は吸引を停止する。また、吸引力を4~8" Hgに低下させる。(文書番号MM021をご参照ください) 他のプレートの場合:吸引力を高める | |
| インキュベーション中に漏出する | 界面活性剤の濃度が高い | 界面活性剤の濃度を下げる |
| ろ過後、インキュベーションを行う前にアンダードレインの水分を拭き取っていない | アンダードレインの水分を拭き取る | |
| アンダードレインが外部の障害物に接触している | アンダードレインの排出口に接触するような障害物がない平坦な場所にプレートを設置する | |
| 吸収性の材質のものがアンダードレインに接触している | 平坦な非吸収性の素材(フタなど)の上に設置する | |
| 過度の撹拌または振動 | 容量を減らして旋回テーブル上で混和する(シェーカーを使用する場合は最大200 μL、シェーカーを使用しない場合は340 μL)。または振盪速度を落とす | |
| 溶媒の蒸発によりフタが密着し、プレートが加圧された | マルチスクリーンプレートの角に詰め物をしてフタの位置を高くする。または温度を下げて蒸発を抑える | |
| 混合液中に有機溶媒が含まれている | 有機溶媒の濃度を低くする |
アッセイの問題点および改善策
| 問題点 | 考えられる原因 | 改善策 |
| 再現性の不良 | 回収プレート上の指紋の有無をチェックする。(アンダードレインの底部には触れないでください。) | サンプルを新しいプレートに移すか、アッセイを繰り返す。アンダードレインの底部に触れないようにする |
| プレウェットを行っていない | プレウェットを行う | |
| ピペッティング操作またはチップの位置が不適切 | 調節する | |
| 標準曲線上で低値 | 洗浄後、アンダードレインの水分を拭き取っていない | サンプルをパンチングする前に、アンダードレインの水分を拭き取る |
| 抗体のコーティングが不均一 | 抗体でコーティングする前に、バッファーだけでメンブレンを湿潤させる | |
| サンプルの値が得られない | 基質に適した波長の設定になっているかチェックする | 適切に調節する |
| トランスファーが不良 | サンプルプレート内に界面活性剤が残留している | 基質を添加する前バッファーだけで洗浄する。またはプレートを遠心してろ液を回収する |
| アンダードレインの水分を拭き取らなかった | 水分を拭き取る | |
| 表面張力の低い溶媒の濃度が高すぎる | アルコールを40%に落とすか、DMSOを70%未満にする。または、プレートを遠心してろ液を回収する | |
| マニホールドサポートグリッドが上下逆または不適切に取り付けられている | サポートグリッドがガスケットにしっかりはめ込まれていることを確認する。(第2章の"サポートグリッドの取り付け"セクションをご参照ください。) | |
| バックグラウンドが高い | 酵素結合体や抗体などの試薬が凝集した | 使用前に、Millexフィルターで試薬をろ過しておく |
| メンブレンのブロッキングが不適切 | 1% BSAおよび0.01% Tween 20を添加して溶液を希釈する | |
| 不適切なフィルターを使用した | HV、DVなどの低結合性フィルターを使用する | |
| グロータイプの発光において不透明なプレートを使用した | 白色プレートを使用する。またはアッセイの検出方法を変更する |
マルチスクリーン遠心の問題点および改善策
| 問題点 | 改善策 |
| レシーバーウエルへの移行時にクロストークが生じた | 遠心機用アライメントフレームを使用する |
| レシーバープレートに亀裂が生じた | シリコンパッドを敷く |
| 遠心加速度を下げる | |
| ろ過が不十分または遅い | 下記の推奨フィルターを使用する
|
マイクロプレートのシンチレーションカウントの問題点および改善策
| カウンター | 問題点 | 改善策 |
| Packard TopCount | カウントが低い | 3Hの場合は3時間放置してからカウントする |
| MicroScint(R) 20または40を使用する。MicroScint 0は使用しない | ||
| 文書番号TN020にしたがい、推奨量を使用する | ||
| クロストークが生じる | 50 μl未満のシンチラントを使用する | |
| 不透明なプレートを使用する | ||
| Wallac MicroBeta | カウントが低い | 推奨量のSupermix(R)カクテルを使用する |
| DE、PH、FB、FC、または3Mプレートを使用する場合: 25~35 μlの推奨量およびろ紙を使用する。(文書番号MM015をご参照ください) | ||
| クロストークが生じる | 50 μl未満を使用する | |
| クロストーク補正を用いる | ||
| 不透明なプレートを使用する |
第5章 サンプルプレートのパンチング
はじめに
この章では、次の項目について説明します。
- マルチプルパンチアッセンブリーの部品および機能
- 96ウエルプレートのセットアップ方法およびパンチング方法
マルチプルパンチに必要な装置
アッセイが完了したら、96ウエルろ過プレートからサンプルを打ち抜くことができます。この作業には下記の機器が必要となります。
- マルチスクリーンマルチプルパンチ(パンチキャリアプレートおよびディストリビューターを含む)
- 8連キャリアラック (パンチキットに付属)
- ディスポーザブルパンチチップ (別売り)
マルチスクリーンマルチプルパンチの部品および機能
マルチスクリーンマルチプルパンチは、パンチハンドル、スライド式パンチキャリアプレート、パンチディストリビューター、およびサンプルコンテナー保持用の8連キャリアラックから構成されています。アッセイ完了後、本装置(およびディスポーザブルパンチチップ)を使って各ウエルからメンブレンを打ち抜くことにより、放射性同位元素のシンチレーションまたはガンマ線検出を利用した分析を行うことができます。下記にマルチプルパンチの外観を図示します。
| 記号 | 部品 | 機能 |
| A | パンチハンドル | メンブレンを打ち抜く際に操作します |
| B | スライド式パンチキャリアプレート | サンプルウエルの打ち抜きが行えるように、96ウエルろ過プレートを正しい位置に固定します |
| C | パンチディストリビューター | サンプルメンブレンをキャリアラック内のコンテナーに分配します |
| D | 8連キャリアラック | サンプルコンテナーを保持します。 注: 8連キャリアラックには、4 mLバイアル用、7 mLバイアル用、12 × 75 mmガンマ線計測用チューブ用の異なるサイズのラックがあります(適切なキャリアラックを使用した場合のみ、チューブの正しい配置と保持が可能です)。 各ラックサイズとも12個入りのパッケージとなっており、キャリアトレイが付属しています。 |
| E | ディスポーザブルパンチチップ | メンブレンを打ち抜いてキャリアラックコンテナーに移行させます。 注: ディスポーザブルパンチチップの詳細については、製品に同封の説明書をご覧ください。 |
96ウエルサンプルプレートの打ち抜き方法
1. マルチプルパンチを実験台上に設置します。パンチキャリアプレートとディストリビューターを引き出したのち再び差し込んで、プレートが正しく配置されることを確認してください。
2. 第2章にしたがい(または実施するアッセイにしたがって)、マルチスクリーンセパレーションシステムでサンプルを調製します。プレートの底面をペーパータオルまたは必要に応じ滅菌ガーゼで拭き取ります。プレートからアンダードレインを剥がします。
注: いったんアンダードレインを取り外したら元には戻せません。したがって、プレートの一部だけを打ち抜いて、残りを後で使うということはできません。
3. 赤外線灯下など、適度な温度となる方法でプレートを乾燥させます。
注: マルチプルパンチシステムを使用する場合、実施するアッセイ要件やフィルターの種類に応じて、96ウエルプレート内のメンブレンは湿潤していても乾燥していても構いません。HA、PH、またはDEプレートの場合は、乾燥させないでください。
4. 清浄な8連キャリアラック1~12個に、バイアルまたは試験管(4 mLバイアル、7mLバイアル、または12 × 75 mm試験管サイズ)を挿入します。必要に応じ、サンプル追跡用にバイアルまたは試験管にラベル表示しておきます。8本のサンプルコンテナーが挿入されたラック1個を、マルチプルパンチベース上の所定の位置までスライドさせます。サンプルコンテナーはパンチディストリビューターと一直線上に並ぶように配置してください。各チャンネルの排出口は、対応するコンテナーの中心に位置している必要があります。8連キャリアラックの据え付けの都度、使用するサンプルコンテナーを使ってパンチディストリビューターのアライメントを確認してください。
5. パンチハンドルが引き上げられていることを確認してください。パンチキャリアプレートを手前に引き、すべてのデテント(歯止め)を越えるまでマルチプルパンチアッセンブリーから引き出してください。
6. サンプルの入った96ウエルろ過プレートを、キャリアプレートの開口部にウェルが収まるように設置します。(ミリポアマルチプルパンチで使用できるのはミリポアマルチスクリーン96ウエルろ過プレートのみです。他の寸法のプレートは適合しません。) A1ウエルの位置がサンプル採取予定と合っていることを確認してください。
7. サンプルプレートの96個のウエル上にディスポーザブルパンチチップを直接載せてください。コーナーピンとサイドタブは、パンチキャリアプレート上部の位置決め用の溝に簡単にはめ込むことができます。パンチチップが各ウエルの上に配列している必要があります。
8. 96ウエルろ過プレートを搭載したパンチキャリアプレートを、マルチプルパンチ内にスライドさせて戻します。キャリアプレートをすべてのデテントを越えて慎重に押し込みます。キャリアプレートを押し込むとき、デテントを越える際には多少の抵抗を感じます。完全に奥まで押し込んだら、マルチプルパンチの最初の(すなわち一番奥の)デテント位置までキャリアプレートを引き出してください。(デテントは12あります。)
警告: サンプルの入った96ウエルプレートがパンチアッセンブリーに完全に挿入できない場合や、容易にスライドできない場合は、ディスポーザブルパンチチップの垂直アームが上部に(手順7に示したように)位置していることを確認してください。必要に応じ、ディスポーザブルパンチチップを配置しなおしてください。
9. パンチハンドルを一気にしっかりと押し下げます。これにより、パンチチップの1列目を使って切り出しが行われます。チップがろ過プレート内の各ウエルを貫通することにより、メンブレンが8連キャリアラックコンテナーに移行します。
警告: いったんパンチハンドルを押し下げ始めたら、途中で止めずに最後まで押し下げてください。正しく押し下げられなかった場合、ディスポーザブルパンチチップが屈曲してメンブレンに穴や亀裂が生じる可能性があります。
10. 8連キャリアラックを手前に引き出し、マルチプルパンチアッセンブリーのベースから取り去ります。適切なサンプルコンテナーを挿入した次の清浄な8連キャリアラックをパンチアッセンブリーベースに設置します。コンテナーがパンチディストリビューターの下に正しく配置されるように設置してください。
11. 96ウエルろ過プレートを搭載したキャリアプレートを次のデテント位置まで引き出します。96ウエルろ過プレートからすべてのサンプルを打ち抜いてコンテナーに移すまで手順8~10を繰り返します。打ち抜きが完了したら、使用する操作手順にしたがってサンプルの測定を行ってください。(液体シンチレーションカクテルを添加するか、直接カウントします。)
警告: すべての手順が終了したら、適切な安全規則にしたがってサンプル、放射性廃棄物、化学廃棄物の処分を行ってください。
第6章 マルチプルパンチアッセンブリー装置のメンテナンスおよびトラブルシューティング
はじめに
この章では、次の項目について説明します。
- マルチプルパンチアッセンブリーのクリーニング
- マルチプルパンチアッセンブリーを使った一般的なアッセイの問題点に関するトラブルシューティング
マルチプルパンチアッセンブリーのメンテナンス
このセクションでは下記の方法について説明します。
- 装置のクリーニング
- クリーニング、汚染除去、または静電気防止スプレー噴射を目的としたマルチプルパンチアッセンブリーからのパンチディストリビューターの除去
マルチプルパンチアッセンブリーのクリーニング
マルチプルパンチアッセンブリーのクリーニングを行う頻度は、打ち抜くフィルターによって異なります。たとえば、グラスファイバーフィルターを打ち抜く場合は週1回のクリーニングが必要と考えられます。乾燥デュラポアメンブレンプレートを用いるアプリケーションの場合は、クリーニングはめったに必要ありません。
マルチプルパンチアッセンブリーのクリーニングには下記が必要となります。
- 低刺激性石けんまたは標準的実験用洗剤
- 清浄な柔らかいタオルまたは拭き取り紙
注: 放射能汚染の除染液やスプレーを使用することもできます。マルチプルパンチアッセンブリー、アッセンブリーのパンチディストリビューター、および8連キャリアラックの外表面は、水を含ませた柔らかい布またはペーパータオルと低刺激性石けんまたは標準的実験用洗剤を使ってクリーニングすることができます。また、パンチアッセンブリーからパンチディストリビューターおよびパンチキャリアプレートを取り外してクリーニングすることもできます。(詳しくは次のセクションをご参照ください。)
クリーニング後は、きれいな水を含ませた柔らかい布またはペーパータオルを使って残留する成分を完全にすすぎ落として乾燥させてください。
警告: クリーニングを実施する際は、適切な安全規則にしたがってください。
マルチプルパンチアッセンブリーからのパンチディストリビューターの除去
装置の放射能汚染が判明した場合や、装置を水洗いしたい場合は、アッセンブリーからパンチディストリビューターを取り外したのち、“マルチプルパンチアッセンブリーのクリーニング”セクションの説明にしたがってクリーニングしてください (放射能汚染の場合は、適切な安全措置を講じてください) 。パンチディストリビューターの汚染除去を行う場合は、パンチディストリビューターを取り外す必要があります。また、サンプルがパンチディストリビューターのファンを通過せず内部に詰まってしまった場合も、パンチディストリビューターを取り外す必要があります。
1. マルチプルパンチアッセンブリーのベースから8連キャリアラックを手前にまっすぐ引き出して取り外します。
2. マルチプルパンチアッセンブリー前部の2つの大きな蝶ネジを取り外します。蝶ネジを外す際は、パンチディストリビューターがアッセンブリーから脱落しないように保持してください。
3. パンチディストリビューターを引き下げてマルチプルパンチアッセンブリーから取り外します。サンプルメンブレンの除去や、パンチディストリビューターの汚染除去を行う必要がある場合は、2つの小さい蝶ネジを外してパンチディストリビューターのカバーを取り除いてください。
注: 静電気によってメンブレンがパンチディストリビューターに付着した場合は、ピンセットを使ってサンプルを適切なコンテナーに移したのち、それ以降メンブレンが付着しないようにディストリビューター、カバー、アッセンブリーベースに静電気防止スプレーを噴射してください。
4. ディストリビューターのカバーを元に戻します(取り外した場合)。各部のクリーニングまたは汚染除去が終わったら、パンチディストリビューターをアッセンブリーベースに戻してネジで固定します。次いで、8連キャリアラックをマルチプルパンチアッセンブリーのベースにスライドして戻し入れます。
マルチプルパンチアッセンブリーのトラブルシューティング
このセクションでは、マルチプルパンチアッセンブリーの使用時に遭遇する可能性のある問題点について、解決法をまとめました。問題点および改善策は、下記のセクションに分けて記載してあります。
- マルチプルパンチアッセンブリー
- 放射性同位元素または検出
注: 記載されている改善策についていくつか試したのちも問題が解決しない場合は、第7章のミリポアTechnical Serviceに関する情報をご覧ください。
マルチプルパンチアッセンブリーの問題点および改善策
| 問題点 | 考えられる原因 | 改善策 |
| パンチング後にプレート上にメンブレンが残留する | グラスファイバーフィルターが先端にあり、メンブレン下のデュラポアがプレートに残留した | すべてのカウントはファイバー中にあり、ごく一部のデュラポアフィルターがプレートに残留する。(文書番号MM010、MM012、およびMM013をご参照ください) |
| HATFメンブレン | 湿潤したメンブレンのみを打ち抜く(乾燥させない) | |
| すべてのディスクが打ち抜けない | ディスポーザブルパンチチップの列が曲がっている | パンチチップが垂直にセットされているかどうか確認する |
| マルチプルパンチアッセンブリーの操作が不適切 | ハンドルを一気に押し下げる | |
| メンブレンがパンチディストリビューター内に残留する | 静電気 | 静電気防止スプレーを噴射する(この章の“マルチプルパンチアッセンブリーからのパンチディストリビューターの除去”のセクションをご参照ください) |
| バイアルまたはチューブが正しく配列していない | バイアルまたはチューブを正しく配列する | |
| パンチディストリビューターカバーが正しく取り付けられていない | カバーを正しく取り付ける |
その他の放射性同位元素または検出に関する問題点および改善策
| 問題点 | 考えられる原因 | 改善策 |
| 液体シンチレーションでカウントが得られない | カウントが溶解していない (トリチウムの場合など) | 18時間(または一晩) 放置後に再度カウントする。(文書番号MM010をご参照ください) |
| カウントが低い | 細胞が放射能を取り込んだ ‐ 打ち抜いたメンブレンを脱色液で処理せずにカクテルに入れた | バイアルに0.42%の次亜塩素酸ナトリウム500 μLを添加し、操作を繰り返す(用いる液体シンチレーションカクテルに適した脱色消光コントロールを行う)。 (文書番号TB038をご参照ください) |
| TCAでタンパク質が完全に沈殿しない | TCAが氷冷されていない、またはインキュベーション時間が不十分 | 氷冷したTCA溶液でアッセイを繰り返す。氷上または4℃で30分以上インキュベーションする。(文書番号MM010をご参照ください) |
| 打ち抜いたメンブレンにカクテルを添加する前に水を添加しなかった | バイアルに水または0.42%次亜塩素酸ナトリウム500 μLを添加し、操作を繰り返す。(文書番号MM010をご参照ください) | |
| ヒストン/ミエリン塩基性タンパク質 | 沈殿を保持するには最終濃度25%のTCAが必要 | |
| Tウエル内のタンパク量が少なすぎる | 総タンパク量が10 μg/wellを上回るようにキャリアタンパク質を添加する | |
| Eサンプルのシンチレーションカウントが不安定 | カクテルへの水の混和が不十分 | 十分に混和し、3時間以上放置したのち、再度サンプルをカウントする。水を添加して沈殿を溶解する |
| トリチウム | 文書番号MM010をご参照ください | |
| サンプルまたは標品(または両方)が低値 | カクテルの量が不適切 | カクテルの量および水の混合能を確認する |
| マイクロプレート用シンチレーションカウンター | 計数効率を下げることができる (特にトリチウム3Hの場合)。(至適化については文書番号MM013およびMM015をご参照ください) | |
| クエンチングの手順が不適切 | 適切な消光コントロールを行う | |
| カウントがフィルターを透過した | 孔径の小さいメンブレンまたはグラスフィルターを使用する 氷冷したTCAを使用する |
第7章 技術情報へのアクセス
はじめに
この章では、次の項目について説明します。
- マルチスクリーンシステムの構成部品の仕様
- ご注文に関する情報(ordering information)およびテクニカルサービス(Technical Service)
- 保証
仕様
下記の表は、マルチスクリーンセパレーションシステムの構成部品の物理的特性をリストしたものです。重量は概算値です。
Vacuum Manifold with Standard Ring
| Dimensions | H × W × D: 6.50 × 15.24 × 12.07 cm (2.56 × 6.0 × 4.75 in.) |
| Weight | 537 g (1.18 lb) |
| Shipping Weight | 1,956 g (4.32 lb) |
Vacuum Manifold with Deep Ring
| Dimensions | H × W × D: 9.37 × 15.24 × 12.07 cm (3.69 × 6.0 × 4.75 in.) |
| Weight | 605 g (1.33 lb) |
Fully Assembled Vacuum Manifold with Vacuum Control Gauge, On/Off Valve, Pressure Gauge
With Standard Ring
| Dimensions | H × W × D: 16.51 × 53.34 × 22.86 cm (6.5 × 21 × 9 in.) |
| Weight | 798 g (1.76 lb) |
With Deep Ring
| Dimensions | H × W × D: 16.51 × 53.34 × 22.86 cm (6.5 × 21 × 9 in.) |
| Weight | 867 g (1.91 lb) |
96-Well Filtration Plate Assembly
| Dimensions | H × W × D: Nonsterile, 1.9 × 12.7 × 8.6 cm (0.75 × 5.0 × 3.4 in.) H × W × D: Sterile, 2.5 × 15.7 × 11.0 cm (1.0 × 6.2 × 4.3 in.) |
| Weight | Nonsterile, 0.07 kg (0.15 lb) Sterile, 0.1 kg (0.21 lb) |
| Shipping Weight | Box of 10, Nonsterile, 0.7 kg (1.5 lb) Box of 50, Nonsterile, 3.7 kg (8.1 lb) Box of 10, Sterile, 0.9 kg (2.0 lb) |
Multiple Punch Assembly
| Dimensions | H × W × D: 43.8 × 22.9 × 35.6 cm (17.3 × 9.0 × 14.0 in.) |
| Weight | 8.1 kg (17.75 lb) |
| Shipping Weight | 9.1 kg (20.0 lb) |
Eight-Place Carrier Rack Assembly (Includes 12 Eight-Place Racks)
| Dimensions | H × W × D: 4.4 × 53.9 × 25.0 cm (1.7 × 21.2 × 9.8 in.) |
| Weight | 3.63 kg (1.65 lb) |
| Shipping Weight | 5.83 kg (2.65 lb) |
Disposable Punch Tips Assembly
| Dimensions | H × W × D: 0.7 × 13.5 × 8.9 cm (0.31 × 5.3 × 3.5 in.) |
| Weight | 0.02 kg (0.03 lb) |
| Shipping Weight | Box of 10, 0.2 kg (0.3 lb) Box of 50, 1.2 kg (2.5 lb) |
構成材料
バキュームマニホールド
ベース: HDPE
標準リング: ナイロン
ディープリング: HDPE
サポートグリッド: ステンレス
ガスケット: EPDM
コントロールゲージ: 真鍮製ソケット/スチール製ケース
圧力計: スチール
on/offバルブ: ポリプロピレン、EPDMシール付き
チューブ: FEPライニングしたタイゴン(R)
ディスポーザブルパンチチップ: ポリスチレン
推奨プレート
ご利用のアプリケーションに最適なプレートが不明な場合は、最寄りのミリポアTechnical Serviceまでお問い合わせください。マルチスクリーン製品のご注文に関する情報については、文書番号PL088をご請求ください。マルチスクリーンに関する情報は、当社ウェブサイト(www.millipore.com/multiscreen)でもご覧いただけます。
注: ミリポアでは常に新しいプレート、メンブレン、およびアプリケーションを開発しています。最新情報ならびにご要望については、お電話にて最寄りのミリポア営業所までお問い合わせください。
MultiScreen Filtration System Vacuum Manifold and Accessories
| Catalogue Number | Qty/Pack | |
| Vacuum Manifold Basic Kit — Includes manifold base, standard ring with gaskets, support grid, all tubing and valves, and pressure gauge | MAVM 096 0R | |
| Vacuum Manifold Deep Well Ring with Gaskets | MAVM 096 0T | 1/pk |
| Vacuum Manifold Replacement Gasket Set (1 each/top & bottom) | MAVM XXA 04 | 1 set |
| Vacuum Manifold Replacement Support Grid | MAVM XXA 05 | 1/pk |
| Vacuum Manifold Replacement Tubing Set | MAVM XXA 06 | 1/pk |
| Vacuum Manifold Replacement On/Off Valve, Vacuum Control Valve, and Tee Assembly | MAVM XXA 07 | 1/pk 1/pk 1/pk |
| Vacuum Manifold Replacement Standard Well Ring with Gaskets | MAVM XXA 08 | 1/pk |
| Vacuum/Pressure Pump, 115 Volts, 60 Hz | XX55 000 00 | 1/pk |
| Vacuum/Pressure Pump, 110 Volts, 50 Hz | XX55 110 50 | 1/pk |
| Vacuum/Pressure Pump, 220 Volts, 50 Hz | XX55 220 50 | 1/pk |
| Vacuum Flask, 1 L | XX10 047 05 | 1/pk |
| Millex-FG 50 Filter Unit, 50 mm, 0.2 µm, autoclavable | SLFG 050 10 | 10/pk |
| Plate Sealing Tape, opaque | MATA HOP 00 | 100/pk |
| Plate Sealing Tape, clear | MATA HCL 00 | 100/pk |
| Vacuum Manifold Collection Tray, for fluid collection | MACT 096 10 | 10/pk |
Centrifugal and Chromatography Accessories
| Catalogue Number | Qty/Pack | |
| Column Loader, 25 µL | MACL 096 25 | 1/pk |
| Column Loader, 45 µL | MACL 096 45 | 1/pk |
| Column Loader, 80 µL | MACL 096 80 | 1/pk |
| Column Loader, 100 µL | MACL 096 00 | 1/pk |
| Acrylic Scraper for Column Loader, replacement | MACL 0SC 03 | 3/pk |
| Centrifuge Alignment Frames, aqueous applications | MACF 096 04 | 4/pk |
| Centrifuge Alignment Frames, solvent applications | MACF 096 S4 | 4/pk |
MultiScreen Filtration System Punch Kit, Disposable Punch Tips, and Accessories
| Catalogue Number | Qty/Pack | |
| Multiple Punch, includes punch with (1) punch carrier plate and (1) punch distributor | MAMP 096 08 | |
| Punch Kit A for 7 mL vials, includes (1) Multiple Punch and (1) carrier rack for 7 mL vials | MAPK 896 0A | |
| Punch Kit B for 4 mL vials, includes (1) Multiple Punch and (1) carrier rack for 4 mL vials | MAPK 896 0B | |
| Punch Kit C for 12 × 75 mm tubes, includes (1) Multiple Punch and (1) carrier rack for 12 × 75 mm tubes | MAPK 896 0C | |
| Punch Carrier Plate, replacement | MACP 096 00 | 1/pk |
| Punch Distributor, replacement | MAPD 089 60 | 1/pk |
| Carrier Racks for 7 mL vials, 12 × 8-place racks with carrying tray | MACR 081 27 | 1/pk |
| Carrier Racks for 4 mL vials, 12 × 8-place racks with carrying tray | MACR 081 24 | 1/pk |
| Carrier Racks for 12 x 75 mm tubes, 12 × 8-place racks with carrying tray | MACR 812 75 | 1/pk |
| Disposable Punch Tips | MADP 196 10 | 10/pk |
| Disposable Punch Tips, bulk pack | MADP 196 50 | 50/pk |
Technical Assistance
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